会社設立の流れと費用
―ゼロから法人化するまでの全ステップ―
「会社を作りたいけど、何から始めればいいかわからない」という方のために、会社設立(株式会社)の手続きをステップごとに解説します。設立には定款作成・公証役場での認証・法務局への登記申請など複数のプロセスが必要ですが、全体の流れを把握すれば迷わず進めることができます。費用の目安もあわせてご紹介します。
1.会社設立前に決めておくこと
登記申請の前に、以下の基本事項を決定しておく必要があります。これらは定款に記載する内容であり、後から変更するためには費用と手続きが必要になるため、慎重に検討しましょう。
- 商号(会社名):同一住所に同一商号の会社は登記できません。事前に法務局で調査を。
- 本店所在地:自宅・レンタルオフィス・バーチャルオフィスも可能。業種によっては制限あり。
- 事業目的:将来の事業展開を見越して広めに設定するのがポイント。許認可が必要な業種は要件に合った記載が必要。
- 資本金:最低1円から可能ですが、実態に見合った金額が信用上も望ましい。融資・許認可の要件として一定額が必要なケースも。
- 発起人・取締役の構成:1人会社も可能。取締役の任期は原則2年(定款で最長10年まで延長可)。
- 決算期:一般的には事業開始から12ヶ月後。繁忙期を避けて設定するのが実務上有利。
2.会社設立の手順(株式会社の場合)
定款の作成
絶対的記載事項(商号・目的・本店所在地・発行可能株式数・設立時出資財産の額・発起人の氏名)を必ず記載。電子定款にすると収入印紙4万円が不要になります。
定款の認証(公証役場)
発起人全員が公証人面前で定款を認証してもらいます(電子定款ならオンライン認証も可能)。認証手数料は資本金額により3万円または5万円。
出資金の払込み
発起人の個人口座に資本金を払い込みます(法人口座はまだないため)。通帳のコピーが払込証明書として必要になります。
役員の選任・就任承諾
発起人決定書・取締役の就任承諾書を作成します。取締役が1名の場合はその方が代表取締役となります。
会社の実印の作成・印鑑登録
法務局への登記申請に「会社実印」が必要です。印鑑証明書は登記完了後に取得できます。
設立登記申請(法務局)
本店所在地を管轄する法務局に申請書類一式を提出します。登録免許税は最低15万円(資本金の0.7%、それ以下の場合は15万円が最低額)。郵送またはオンライン申請も可能です。
登記完了・各種届出
申請から約1〜2週間で登記完了。登記完了後は、税務署(法人設立届出書)・都道府県税事務所・市区町村・年金事務所(社会保険)・ハローワーク(雇用保険)などへの届出が必要です。
3.費用の内訳と目安
| 費用項目 | 金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 定款収入印紙 | 4万円(電子定款は0円) | 電子定款で節約可能 |
| 定款認証手数料 | 3万〜5万円 | 資本金100万円未満は3万円、100万円〜300万円未満は4万円、300万円以上は5万円 |
| 謄本交付手数料 | 約2,000円 | 定款謄本1部250円×枚数 |
| 登録免許税(法務局) | 15万円〜 | 資本金の0.7%(最低15万円) |
| 会社実印作成 | 1〜3万円 | 代表者印・銀行印・角印セット |
| 行政書士報酬(定款作成等) | 3〜10万円 | 事務所により異なる |
| 合計(目安) | 約22〜35万円〜 | 電子定款利用時は約20万円〜 |
4.設立後にすべきこと一覧
登記完了はゴールではなく、スタートです。以下の手続きを速やかに行う必要があります。
- 税務署への届出:法人設立届出書(登記後2ヶ月以内)、青色申告の承認申請書(設立後3ヶ月以内または最初の事業年度末のいずれか早い日の前日まで)
- 都道府県・市区町村への届出:法人設立届出書(期限は自治体により異なる)
- 社会保険の加入:年金事務所へ健康保険・厚生年金の加入手続き(法人は1人代表者でも加入義務あり)
- 法人口座の開設:法人登記簿謄本・印鑑証明書・会社実印が必要。審査に2〜4週間かかることもある
- 各種許認可申請:業種に応じた許認可(飲食店・建設業・古物商等)を設立後速やかに取得
建設業・不動産業・飲食業・古物商など、多くの業種では許認可の取得が営業開始の条件となります。許認可によっては資本金の要件・役員の資格・事務所の設備基準があるため、これらを考慮した上で会社を設計することが重要です。設立後に「実は許認可が取れない」という事態を防ぐためにも、設立前のご相談をお勧めします。
5.行政書士に依頼するメリット
会社設立の手続きをすべて自分で行うことは不可能ではありませんが、定款の法的チェック・公証役場との事前調整・法務局への書類整備には専門知識が必要です。特に以下のケースでは専門家への依頼が強くおすすめです。
- 設立と同時に許認可申請が必要な業種(飲食・建設・古物商等)
- 複数人での共同設立(株主・役員構成の設計が複雑)
- 外国人が出資者・役員に含まれる場合
- 資本金の調達方法が複雑な場合(現物出資等)
- 設立後の融資申請(創業計画書・事業計画書の作成支援)
まとめ
会社設立は、①定款作成→②公証役場認証→③出資金払込→④登記申請→⑤各種届出の流れで進みます。費用は電子定款を活用することで節約でき、株式会社なら概ね20〜35万円程度が目安です。当事務所では、設立前の会社形態の選択相談から、定款作成・許認可申請まで一貫してサポートしております。まずはお気軽にご相談ください。
会社設立の手続きは行政書士にお任せください。
許認可申請との同時申請もご対応可能です。

